ビリギャル老い易く学マジやばし・雲の巻

 

今月4日・5日と二日間に渡って行われた高認試験を受けてきました…。

やぁー。なんだろーね?この感じ。

正直、後悔しとるだぁー。

 

精一杯やりきったし、別に言い訳するつもりもないんだけど、

んーと、あー、なんか上手く説明できんなぁ…。

やぁー参った。 

 

えっと、一日目。

大阪で祭りがあるっつって誘われたのを

泣く泣く断ってテストのために凱旋した地元。一年半ぶりの帰省。

いざ試験会場に着いてみたら

県下の名だたる中卒たちが一堂に会してて、不本意ながら、

こっちはこっちでちょっとした縁日みたくなってた。夏の匂いがした。

 

周りのガラ悪い受験生連中をぼんやり眺めながら、

やっぱみんなこう見えてがっつり勉強してきてんのかなぁー、

小出恵介だってROOKIESでは不良ぶってたけど慶応大卒だもんなー、

これ下手すりゃわたし落ちるかもなー、

なーんて、ちょっとネガティブなことも考えた。

 

だってこの試験、聞けば毎年合格率40%切るかどうかって感じらしいし。

40%切るかどうかなんてことが身近で話題になるのなんてね、

きょーび紅白歌合戦の視聴率くらいのもんだったのに、

ここへきてまさかの合戦、しかも参加者側っつーね。シビアにもほどがある。

 

受験科目もわたしは初受験のルーキーだからかなり多くて、

国語、数学、現社、日本史、世界史、物理、化学、生物の5教科8科目。

まぁ、勉強始めたのも周りより圧倒的に遅かったし、

こんな付け焼刃の学力じゃ振るい落とされるのがオチかなーって、

8科目中3科目くらいまぐれで合格するくらいが関の山かなーってね、思ったわけ。

 

しかもわたし、生粋のアルコール依存症っ子だから、

定期的にお酒を給油しないと心臓がエンストする仕様なわけ。

もうね、ものの15分でもシラフでいようもんなら、

冬場のアマガエルみたいに一撃で仮死状態になるの。

試験中に酔いが醒めちゃったら、ぜったい何もできんようになるけぇ、

周りの目を盗んで適宜アルコールを入れなきゃってことを思うと億劫で仕方なかった。

 

んで、一日目の一発目、科目は物理基礎。

試験が始まるまえ、試験官のひとがマークシートの塗り方とかね、

説明してくれてるのを聞いてたんだけどさ。

後ろのほうで話し声がするから振り向いてみたら

ロン毛のにーちゃんらがひそひそ声で喋ってんの。

 

わたしが試験官なら焼きゴテで顔面にマーク入れてやるところだけれども、

これがバッチリ勉強してきたひとの余裕ってやつなのかなーって、

リラックスして試験に臨んでる証拠なのかなーって思ってね、

一抹の不安を抱えたままテスト始まって、深呼吸して、問題用紙、開いた。

そしたらもうね、絶句した。

 

…チョロすぎねぇ?

 

クレペリン検査かな、ってちょっと思ったよ。

本番前のちょっとした腹ごなしかな、って。

楽勝すぎてへそで温泉が湧くんじゃないかってくらいの難易度だけど、

周りの張り詰めた空気から察するにどうにもガチっぽい。

 

えっ、ガチなのー?

ほんとにこれが高認試験なの?

文科省の名にかけて高等学校卒業程度認定試験なの??

田中眞紀子、これでゴーサイン出したの??

信じらんねぇー。 

 

ひととおりサクっと解き終って、ざっと解答を見直して、

何なら問題用紙の余白にちょっとハガレンの絵とかも描いたりしたけど、

試験時間がまだ30分くらい残ってんの。

 

隣のひととかすげー勢いで、ガリレオばりに計算式を書き殴ってるっぽいんだけど、

ほんと、それで次の芥川賞狙ってんのかってくらい必死に書きまくってるんだけど、

もうね、このテストに計算とかいらない。

全然、目分量でいける。

 

30分も時間余ってるとか、ほんと、何しろってんだよー。

朝ごはんとか食べに行っていい?

ガリレオのぶんも何かマックとか買ってくるからどっか行っていい?

つって、暇を持て余しながら、ひたすらジョジョの絵とか描いて時間を潰した。

 

 んで、物理の試験が終って20分くらいの小休憩になったから、

水筒に入れてきたマイヤーズラムを飲んでたんだけど。

したら、始まるまえ後ろで喋ってたロン毛のにーちゃんが、

「俺、勘でマークしたったわww」みたいな妄言を吐いてるのが聞こえたわけ。

 

いやいやいや、何でこんなテストで勘とかいう最終手段に頼ってんの?

勘って、もっとここ一番ってときに使うもんじゃないの?

何その遠回りな自殺願望。

一発目のテストから全力でヤマ張ってるとか勝負師すぎねぇ?

 

もうね、受験票と左脳を家に忘れてきたとしてもスラスラ解けるわってくらい

ぬるいテストをぬるっとこなして、難なく終った一日目。

ほんで一日目以上にサクっと終った二日目。

 

いやー、もっとゆとりを持って勉強しても全然よかったなってつくづく後悔した。

全然急ぐ必要なかった。

付け焼刃でも普通に合戦、戦えた。

大阪に戻ってきてから一応自己採点もやってみたけど、

試験前に不安だった数学と現社がどっちもほぼ満点だった時点で

答え合わせもバカバカしくなってやめた。

 

なんか、CoCo壱のカレーは初めて食べるひとは10辛を注文しないほうがいい、

みたいなビギナーズガイドがあったような気がするけど、

ほんとね、次に高認受けるときは、もっと刺激のある内容を期待したい。

無論、次がないことを祈ってるけど。

つーかたぶん、絶対ないけど。

 

<予告>

抱腹絶倒の試験から一ヶ月。

えるざの日常に再び安寧が訪れたかのように思われた。

しかし、そこに届いた一通の封書。

その表に書かれた"合否通知"という謎の文字。

そこに記されていた驚愕の文面とは!

突如として分水嶺に立たされたえるざの運命やいかに!

 

「ビリギャル老い易く学マジやばし・そして伝説へ…」(2015年9月上旬予定)

混沌の学歴社会に翻弄される中卒少女の、合否結果を目撃せよ―――。

 

ふっかつのじゅもん!

 

誕生日だった昨日、体験入店という形で、一夜限りの復活を遂げてきました。 

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思う存分、戦ってきた。

スティーヴン・セガールばりにおっさん相手に死闘、繰り広げてきたー。

 

ただ、こっちは何かと沈黙したがるセガールと違って、

もう一瞬たりとも沈黙しねぇから。

一晩中、延々しゃべり抜いてきた。

 

お粗末なトークセッション術一本でのし上がったキャバ嬢の本領発揮。

始業時間になり、日付が変わって、朝日が昇るまで

圧倒的なマシンガントークでおっさんテロリストを蜂の巣にし続けた。

最後のほうはセガールの富士額も朝日を浴びて軽くダイヤモンド富士になってた。

 

復活劇にあたって、ギリギリ連絡先の残ってたお客さんに全力で召集かけた。

まぁ営業メールなんてティッシュ配りみたいなもんだし

シカトされるの前提で召集かけたんだけど。

もう当日とかね、間違えて臨時国会召集しちゃったかなってくらいの怒涛の集客率。

乱痴気騒ぎの店内。大名行列に轢かれるわたし。飛び交うロマネ・コンティ

お触り禁止令をものともせぬラフプレーの連続。ドンペリの空き瓶。大名に次ぐ大名。

 

殺す気かっつーの。

一生分のアドレナリンを出し尽くした気がする。

でもほんとね、お客さんいっぱい来てくれて嬉しかったー。

 

んで、帰ってすぐ昏倒して、今さっき起きました。

やぁー、なんかもう当分、誕生日はいいかなって感じ。

とりあえず、向こう一年くらいは。

 

冷やし中華のはじまりと終点

 

キライな食べ物。

って、子どもの頃から全然ないの。ないんだけどね。

昔からどーしても苦手で、

不思議と食べられないものってのがある。

それが、冷やし中華

 

んーと、そうだなぁ。

いや、たとえば、サンドイッチとかあるじゃない?

ハムとかトマトとかキュウリとかがゲートガーディアンかってくらい挟んであるやつ。

今朝、通勤ラッシュ時の天王寺駅関空快速に乗ったら満員で

ホームに押し出されそうになったとき自動ドアに思いっきり脚挟まれたけど、

あれくらいのパワフルさで具材がぎゅっと挟んであるやつ。

 

サンドイッチはさ、全然いける。超すき。

通勤ラッシュ時にサンドイッチをくわえながら遅刻遅刻~!つって

関空快速に駆け込み乗車して脚を挟まれたいくらいにはすき。

 

んー、あとは、ラーメンとかさー、

同世代でも、一人で食べに行けない系女子とか多いけど、その点はもう全然大丈夫。

割と早食いだからむしろツーマンセル以上では行きたくない。

もやしとか海苔とか煮卵とか、JR総武線の乗車率に匹敵するレベルでトッピングする。

ラーメンはサイコー。超すき。

天一の年間パスポートが売ってたら前日の夜から並んででも買うくらいすき。  

 

そんな文字通りのサンドウィッチマンラーメンウォーカーを拝命するわたしが、

ほんと、理由はよくわかんないんだけど、

唯一、なぜか本能的に食べられないのが、冷やし中華

 

冷やし中華(ここでいう『冷やし中華』とは、細かく刻んだハムときゅうりと錦糸卵、

輪切りのトマトと茹でもやしが生の中華麺上に等間隔を守って置かれ、きざみ海苔が

その中央に適量散らされたものが、めんつゆ+ごま油あるいは専用のタレに

浸っているもの/状態を指すことを共通認識事項として提唱しておく)が最強に苦手。

 

中華を冷やしたのが、冷やし中華、と。

なるほどね。

いや冷やしたの誰?

って話でしょ。

 

関空サンドでいいじゃんよー。総武線ラーメンでいいじゃんよー。

具っつーか、乗務員の内訳、ほとんど一緒じゃんかよー。

なんでわざわざ中華冷やしちゃったかなぁ。ばかー。

冷房、効かせすぎだっつーの。クールビズが過ぎるっつーの。

 

つっても、冷やしてるか否かってのは、たぶんそんなに問題じゃないだん。 

実際、おそうめんや韓国冷麺は普通に食べれるし、

冷やし中華をチンしたところでトラウマがこじれるだけな気がする。

あったかいビーフシチューをシャーベットにしたって絶対食べれないのと一緒。

じゃあ一体何がだめなのよってことになるけど、

それが冷やし中華だけにサッパリ分からない(上手くないし美味くない)。

 

たしかに中華麺を生で食べるっつーアクロバットにはちょっと嫌悪感あるけど、

直接的な原因はそれじゃないような気がするだぁー。 

ほんと、早急に理由を突き止めて、

食べれるようになりたいと切に願ってる。 

ずっと努力はしてるの。

 

夏がくるとね、やっぱりどうしても冷やし中華が始まりがちになるし。

毎年毎年、ボジョレー解禁!みたいなテンションで

冷やし中華はじめました!って言われるのは結構キツい。

 

第一、わたしが冷やし中華を食べられないことが引き金となって、

将来的に大問題へと発展するケースだって

大いに考えられるわけで。

たとえば。

 

二十台半ばでね、結婚も視野に入れてるような彼氏ができたとするじゃない。

んで、ちょうど交際二年目の記念日に、

高級ホテルの最上階のレストランでね、

シティービューの窓から市街地の夜景を眺めながら

ボジョレーをがぶ飲みしてうっとりしてるとするじゃない。

 

二人きりで記念日を祝う、優雅なひととき。

そこに、彼がオーダーしたコース料理のディナーが運ばれてくる。

それの一品目が冷やし中華だったら、まず間違いなく絶叫すると思う。

 

もうね、オードブルの時点で普通に詰むわけ。

そんで、彼氏は何にも言わずにニコニコしてるけど、

実は中華麺の中にピンポン球大の白い二枚貝が埋まってて、それを開けると

お給金三ヶ月分相当のエンゲージリングが入ってるって寸法なのね。

 

冷やし中華もさすがに一流品だからさ、

松茸とかオマール海老とかが乗っちゃったりしてね。 

もうね、わたしがミニパトの婦警さんだったら思わず駐禁切っちゃうぞってくらい

豪勢なエビが鎮座なさってるわけ。

 

んで、ここぞとばかりにソムリエが、

「こちらの松茸とオマール海老は先ほど空輸で届いたばかりの新鮮な…」つって

意気揚々とレクチャーしはじめるんだけど、

たとえエビが生きていようがキノコが茂っていようが

結局ベースは冷やし中華だから、ぜんぜん箸が進まないわけ。

噂のオマールの野郎をね、ちょいとつまんでみたりもするけど、

やっぱどうにも食べられない。

 

そんで、彼氏もたぶん結婚を申し込む段になって

多少ナーバスになっとるけぇ、

普段より猜疑的になって、いろいろ考えちゃうわけよ。

 

「あれ、何で食べないのかな、食べ物の好き嫌いはないって聞いてたんだけどな、

もしかしてほんとはイチローばりの偏食家なのかな、偏食界のイチローなのかな、

オマールばっか食べやがって、海老で鯛を釣るどころかとんだアバズレ釣ろうとしてたぜ、

海老でピラニア釣り上げてたまるかよ、骨の髄まで食い尽くされるわ、

よく見たらこいつチビだし貧乳だし中卒じゃねーか、ご飯にオキアミかけて啜っとれや」

つってね、もう、富士急ハイランドで言うとドドンパ並みのスピードで

マリッジブルーの暗黒面へと直滑降で堕ちていく。

 

そんな彼氏からの冷ややかな熱視線と

冷やし中華が放つ無言の重圧に板ばさみにされて

さながらサンドイッチ状態で肩身の狭い思いをしてると、

わたしも徐々に疑心暗鬼になってくるわけです。

 

「やー、どうしよう…めっちゃこっちみてる…ツタンカーメン王ばりにガン見してきてる…

怖いなぁー、大体このタイミングで冷やし中華とかち合うかよ、空気読んでよ、

食べれないっての、それからこの貝殻、どうせ指輪とか入ってんだろうけどさぁ、

もっと上手くカモフラせいよ、麺の隙間から終始ちょっと見切れてるっつーの、

オマールの脇からずっと貝殻のぞいてて、ちょっとしたポロリみたくなってるっての、

凄まじい存在感だっての、こんなサプライズも中途半端にしかできんような

サプライ品男と結婚してもいいものか…」つっていよいよ思い悩みはじめる。

 

次第に二人の間に秋風が吹きはじめる。 

ソムリエも冷や汗をかきはじめる。

そうなれば電撃破局の稲妻に打たれるのも時間の問題なわけ。

この一部始終がありありと目に浮かぶ。

完全にゆゆしき問題。

 

ほんと、わたしが何かの間違いで厚生労働大臣になったら、

食品衛生法あたりをバレないようにこっそり書き換えて、

中華を冷やしたひとは懲役にするし、

注文したら懲役にするし、食べ終ったら懲役にするし、

冷やし中華を出すような違法飲食店は軒並み業務停止命令+懲役にする。

 

毎年欠かさず、夏はやってくる。四季のスタメン、各駅停車でやってくる。

夏が終れば秋が来て、冬を越したら春になり、

新幹線並みの速さで婚期が遠のいていく。乗り過ごしてゆく。

夜汽車に乗り損なった花嫁が行き着く終着駅は、果たしてどこであるか。 

 

冷やし中華を一向に克服できないまま、

彼氏いない歴だけが中華麺のように、音もなくじわじわと伸びていく。

そんなことを考えながらわたしは、今日も一人、ラーメン屋の暖簾をくぐる。